「辞めちゃえば?」がセミリタイアへ向かう大きな一言となった
昨年のことだけど、仕事があまりに忙しく、しかも自分にその仕事が適わなくて、心身ともにおかしくなりかけ、本気で仕事を辞めようか思いつめた時期があった。
そこで、周囲の反感の目を無視して休暇をむりやり取得し、若年者(もう若年者ではないがかろうじてその対象になっていた)就労支援サポートという公的相談センターに思い切って駆け込んだことがある。
自分にとって、そういう機関を利用したのは、人生初めてのことだった。
何をやっているところなのか理解しないまま行ったのだけど、若年者の就職支援だけに限らず、仕事に悩みを抱え転職を考えている人というのも対象だったことから、とにかく誰かに話を聞いてもらいたくてしょうがなかった当時の自分は、すがる気持ちで足をむけたのだと思う。
そのときの様子を思い出すとこんな感じであった。
まず最初に簡単なアンケートに記入をする。
今の状況。何を悩んでいるか。どうしたいのか。ここを知った方法。。。
まあ、よくある内容のものだ。
そしてそれを記入すると支援相談員のところに通され、アンケートを元に個別に相談員と話をすることとなる。
自分はこのとき堰を切ったように
「仕事を辞めたい、、辛い」
そんな内容のことをせきららに話したような気がする。
そして「別な人生を歩む道を探りたい」とも。。
本来こういう場で話をするのもどうかとも思う内容のことまで、けっこう話したような気がする。
そして、自分はそういうことを真剣に心から話をすることができる人が周囲にいないことに、そこで話をしながら気づくこととなる。
おそらく自分みたいな立場の人間が、こういうところに来て「いきなり人生相談」みたいな話をするのは、ここを利用される者としては希な方に入る部類なのかもしれない。
ひょっとすると場違いだったことだろう。
だけど、相談員の人は話をずっと聞いてくれた。
自分も話を聞いてくれたことで、心が落ち着き、冷静さを取り戻していった。
そして、相談員は私の話をひととおり聞いたうえで、まず最初に発した言葉、それが次の言葉だ。
「辞めちゃえば?」
自分にとっては、その言葉がけっこう心にグサッときた。
というのも、「辞める」ということが、そんなに軽い響きで聞いたのが初めてだったからだ。
自分にとって「仕事」とはずっと同じところで働くことが一番いいのだと思っていた。そして、おそらく自分が就職活動で苦しんだ立場の人間(超就職氷河期時代の一番悲惨な時期)だったからだろうが、今の仕事に定年までしがみつかないといけないという気持ちが正直あった。
「辞める」などとは、そう簡単にはできない、それこそ人生をかけたものと思い込んでいた。
だが、その一言を聞くことで、
「仕事を辞める」ってもっと軽い考えの気持ちもあってもいいのかな。。
初めてそんな気持ちとなった。
その後、相談員からは、転職の方法やハローワークの活用法など、これからの話を聞いて、その日の相談を終えることになったと思う。
そしてそれ以降、その相談センターには行っていない。
だが、それは自分にとって大きな転機となった。
仕事と自分の関係に対するイメージが大きく変わることとなったのだ。
そして、相談支援センターに行ったことをきっかけとして、その後も自分なりにこれからの生き方についていろいろ悩み、調べ、考え抜いた。
その結果、「セミリタイア」へ向けて大きく舵を切ることとなった。