人間不信に陥っている気分に襲われた
仕事帰りのことだ。
自分にとって珍しく、きれいなお姉さんが近寄ってきたと思ったら、
アンケートに協力してほしい
と言われた。
とてもスタイルがよく、容姿もきれいな人で、感じの良い人だった。
ただ、いざ協力を求められそれに応じようとすると
なにがしか
「詐欺」に狙われているのではないか
という一瞬の嫌な感覚に襲われてしまう。
結局、話を聞いたうえで応じるかどうか少し迷った後、
お断りすることにした。
下手に応対して、結果的に何かややこしくなる事態に陥るのが嫌だったので、自分の判断は良かったとは思う。
だけど、とても残念がっていた女性の姿を見てなにか申し訳なくも思ってしまった。
本当に純粋に頑張って真面目にやっている人なのかもしれない。
しかし、そう見せかけて実は裏で悪い人間であり、表向き良さそうに演じているだけなのかもしれない。
本当はどうなのかは、わからない。
ただ、普通に人と接することが、こんなにも信頼できず安心できないものなのか、警戒しよくよく耳を傾け、冷静に常日頃対応しないといけないものなのか
そういう人間不信に近い状況に陥っている自分が悲しく感じられた。
最近はとりわけ「IS」が起こしている理不尽な無差別テロが報道されている。
しかしそこまでに至らずとも、今の日本に暮らしていて、果たして「安全で安心」な社会だとどこまで実感できているのだろうか。
人が信用、信頼できない社会。
安心して見ず知らずの人にも接することができない社会。
そうなってほしくないと思いつつ、実はそうなってきているのではないかという思いもある。
年をとると、今まで正しいと思っていたことがどんどん歪んでいくこととなり、考えも態度もどんどん純粋から遠ざかっていくのだと改めて感じた。