甘利明経済再生担当相の辞任のニュースを見て思ったこと
昨日から朝にかけて報道されている、甘利明経済再生担当相の辞任のニュース。
周りの人はその報道を見てどのように思ったのだろうか。
個人的には、あんなに労力を尽くして頑張ってきたのに、なんでこういうかたちで優秀な大臣が辞任に追い込まれるのか、疑問でならない。
そりゃ、「政治と金」にまつわる内容のことであり、これは以前から政治における大問題であるテーマなのであって、それをなくすことが必要であるという事実になんら変わりはない。
しかし、あれだけ内閣にしろ経済界にしろ、時には裏方として支え、時には先頭に立って引っ張ってきた方が、ようやくTPPという大きな難関を乗り越える道筋を見出したところで、こういった足を引っ張る勢力の犠牲となるようなかたちで、その場を降板しなければならないというのは、政治だけに限らず日本全体にとっても損失となるのではないかと思えてならない。
報道をみての感想なので、このあとの調査によってでてくる内容によってはこの考えも変わるかもしれない。
だけど今、政治だけに限らず、世の中他人の足の引っ張り合いばかりしている気がしてならない。スクープなり暴露なり、いろいろ裏の情報が飛び交っているけれど、果たしてそんなに純粋でまじめな優等生な人間がどれほどいるのだろうか。
このようなスクープ合戦みたいなことがはびこれば、とてもプライベートなどないようなものとなり、世の中、先頭に立ってやっていこうという人がいなくなってしまうのではないのだろうかと危惧する。
こういうスクープを狙う報道やジャーナリスト、さらには個人というレベルにおいても、他人に対しては厳しいのに、自分に対してはそれを語るに値するものといえるのだろうか。自分の会社の利益につながれば、自分さえよければそれでよいのだろうか。
そんな気持ちがふつふつとわいてきて、つい書いてしまった。
別に報道の自由というのも認めるし、ジャーナリズムが政治を監視するという考えを否定するものではない。ただなにかいろんなことが情報としてあふれすぎていて、世間一般のひとつひとつの動きが、過剰なように見えてならない。
安定した社会は永続するものではないとするなら、今はさまざまな疲弊が生まれているんだろうな。
そう思って、「自分はとても先頭に立って表舞台には立てないな」と改めて思った次第である。