高齢者施設における最近の報道で思ったこと
高齢者施設における虐待・暴言のニュースが後を絶たない。
川崎の事件が話題となっているところであるが、全国的にその傾向が顕著になっているという。
CM・広告やパンフレットなどで謳っている内容と実際とではずいぶんと違う現況にあるケースが相当あるようだ(当然すべての施設ではない)
昔は、高齢者の数が今日と異なりもっと少なく、寿命も短かったこともあり、大変な苦労を重ねて、我々を育て、社会や家庭を築き上げてくれた老齢者に感謝し、皆で大事にし敬わないといけないという風潮があった。
だが、今はどんどん高齢者ばかりが増えていき、さらに長寿化が進む一方、現役世代や若年層がどんどん少なくなってきている。むしろ下の世代の人間こそ貴重な存在になりつつある方向に向かいつつある。
たしかに見渡すと、至るところ高齢者ばかりだ。
そのような逆転した人口構図となってきていることから、高齢者に対するイメージも昔とは大夫異なってきているものと思われる。
高齢者といっても、今や元気でやりたい放題やってるイメージが強い。しかも制度として様々な面で優遇されている。
それに引き換え、現役世代以下は、様々な制度の疲弊・矛盾にさらされ、恩恵を受ける機会が乏しく、下の世代になるにしたがって不利になっていく不公平感が強い。
さらには、世代関わりなく、利己的・自己主張ばかり掲げ、短絡的行動に走りやすい人が多く見受けられる。それを抑制する手段や方法も社会全体として失われつつある。
「助け合い」ということもずいぶん弱くなった。
すなわち、いろいろなバランスが壊れてきているといえる。
そのような社会状況の中、高齢者施設といったとりわけ高齢者の中でも要介護度が高い人たちが入居しており、「過酷・過重労働」といわれる職に、「福祉」という観点に憧れて就いたとしても、実際の現場の予想以上の大変さに悲鳴を上げ、とても耐え切れず辞めてしまう人が多く出てしまうのは当然のような気もする。
さらに頑張って仕事を続けても、かなりのストレスと仕事に忙殺されることとなる。その極端ないきさつが、高齢者施設の今回の問題となるし、それは社会の歪みの一端を醸し出していると思う。
それでも懸命に福祉で頑張っている人もたくさんいるので、本当に頭が下がるところだが、さぞかし苦労もたくさんされていることと思う。
この問題の解決は、急がないといけないところだが、実際のところ非常に難しいと思う。
少なくとも、自分の老後は第三者に委ねないように自分がしっかりしないといけないと思っている。だが、どこまで保つのだろう。
ほんと、長生きのリスクばかり感じる、そんな時代に自分も思うようになった。
そう考えると、なかなか福祉